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私はこれまでTacxSatoriトレーナーを7年使用してきました。安価で高負荷がかけられる良いトレーナーでしたが今回より高性能な2016モデルのWahoo KIKCRを試してみることにしました。

私は練習でトレーナーを使う比率が高いのですが、ダイレクトドライブ方式のこのトレーナーならタイヤを磨り減らす心配も部屋がタイヤ屑で汚れたりする心配もありません。

更にこの製品は連携しているトレーニングアプリの数が豊富なのも魅力です。

KIKCRのセッティング

 

まず箱から出して折り畳まれた状態のコンパクトさに驚きました。

持ち手が付いているので持ち運びしやすい形にはなっていますが重さはかなりあります。

左右に展開する脚部の先には高さを調節できる水平調節脚がついているので例え設置場所が水平でなくてもセッティングの融通が効きます。

KIKCRには最初から11速スプロケットが付属してるので11速コンポーネントを使用しているバイクなら何も交換することなくそのままセッティングできます。勿論10速にも対応できます。

 

 

セッティングの際に一箇所だけ手こずったのがホイールに合わせた高さの調整です(様々な車種に対応するための調整機構です)青いアームを固定しているボルトを一旦外して本体の高さを調整した上で再び青いアームを固定するのですが新品状態だと動きが固く、本体が微動だにしませんでした。考えた末に上から体重をかけてやることで下方向に動かすことができました。

一度動いてくれさえすれば上にも下にも動いてくれるようになるので無事700Cホイール用の高さに調節できました。

KIKCRの走行感と騒音

 

 

マグネット式に比べてスムーズで自然な走行感と感じました。加速した状態で足を止めると実走で慣性が働いている時のようにしばらく回り続けるのは大型のフライホイールの効果でしょう。

普通の固定式トレーナーは負荷を上げていくとタイヤが接地面で滑ったりすることがありますがダイレクトドライブ方式なのでその心配はありません。

本体の重さと水平調節脚によりKIKCRのトレーニング使用時の安定感は抜群でドロップハンドルを握って腰を浮かせての全力スプリントも不安なく行えます。この点はZwiftのレースに参加してゴール前でのスプリントなどする時はアドバンテージになると感じました。

騒音については大抵のマグネット式より静かで、ロードレース中継を見ながら乗っていても音声が聞き取れます。

家族からも私の自室から聞こえてくる音や振動が明らかに減ったと言われました。

KIKCRの出す音は他のトレーナーより高い音が多く低い音が少ない傾向にあるのですぐそばで音を聞くと大きいのですが他の部屋に伝わる振動は少ないようです。

各種アプリをKIKCRで使ってみる

 

 

キャリブレーションはガーミンなどスマートトレーナーに対応しているサイコンや専用アプリのWahoo UtilityとWahoo Fitnessからできます。

ファームウェアアップデートはWahoo Utilityから行うことになるのでこのアプリは必須と言えるでしょう。

Wahoo Fitnessはサイクルコンピューターの機能を持たせたスマホアプリです。

KIKCRで使う場合はかなり細かい負荷調整がこのアプリでできるようになっていて5%刻みで0~100%まで調整できたり風の影響をシミュレートすることも可能です。

 

 

TrainerRoadは膨大な数のトレーニングメニューが用意されているスマホアプリです。

メニューから選んでスタートするとターゲットのワット数と文字案内が表示されます。

スマートトレーナーに対応しており、自動でターゲットとなるワット数に合わせた負荷に切り替わります。シンプルなインターフェースなのでワークアウトだけに集中したいという方にお勧めです。

Zwiftはバーチャルライドソフトとして高い人気を誇ってますね。日本でもユーザーは多いです。

私もβテスト時代にプレイしていましたが当時はコースが少なかったのですぐに飽きてしまいました。

今回KIKCR導入に合わせて再開してみるとコースが沢山増えていてグループライドやレースも開催されているのでこれならそう簡単には飽きないで済みそうです。

我が家のZwift環境はデスクトップPCとANT+ドングルの組み合わせでKIKCRと通信し、プロジェクターでスクリーンに映し出しています。

起動してみるとデバイスのペアリング画面でKIKCRが表示されています。

ペアリングの状態は安定していてなんら問題ありませんでしたがトレーナーと端末やPCとの距離は近い方が良いようです。変化するコース状況に応じて負荷が変わるので練習を意識せずただサイクリングするだけで楽しいしグループライドやレースに参加すると更に楽しいです。

映像の勾配の変化に合わせてトレーナーの負荷が変化するのがKIKCRの魅力ですがそれを適切に引き出してやるにはZwiftの設定画面でTrainer difficultyを最大に設定するとよりリアルな負荷変化が楽しめると思います(Wahoo社の推奨設定でもあります)

詳しいZwift インドアサイクリングガイドはこちらをご覧ください。

総評

Wahoo KIKCRを3ヶ月使用してみた感想として特筆したいのはZwiftでのバーチャルライドの楽しさです。

中でもグループライドは現実で他人と練習をしている時の楽しさやレースをしている時の楽しさを部屋で気軽に味わえるので、体の疲労さえなければ1日に何度でも参加したいほどハマってしまいました。

KIKCRはその楽しみを”ストレス無く(これがとても重要)”拡張してくれます。

Wahoo社はこのマシンにかなり自信を持ち、力を入れて販売していくようなので今後の機能のアップデートにも期待できるし、サポートもしっかりしているので安心して購入できる点も評価したいと思います。

 

 

 


 

ぜひ、こちらのガイドも合わせてご覧ください。

スタッフレビュー: Wahoo KICKR SNAP スマートターボトレーナー

Wahoo KICKR 冬トレーニングガイド

ターボトレーナー購入ガイド


投稿者 :宿谷 英男

東京都西多摩地域の山々を拠点とする自転車歴7年のサイクリスト。 ヒルクライムレースをメインにロードバイクでレース活動。

月間走行距離は1000~1500kmほど。2015年、2016年東京HCシリーズチャンピオン